ボイデヤ®の製品特性

古典経路及びレクチン経路による感染防御作用を維持したまま、補体第二経路を選択的に阻害する、低分子補体D因子阻害薬です。
血管内溶血を抑制するラブリズマブなどのC5阻害薬による治療下で、更なる治療の必要性が認められた際に併用することが可能であり、血管外溶血を抑制することで残存するPNH症状に対して有効性を発揮します。

社内資料:効力を裏付ける試験(承認時評価資料)

ラブリズマブ又はエクリズマブが投与されており血管外溶血が認められるPNH患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(ALPHA試験:ALXN2040-PNH-301試験)において、プラセボ群に対する優越性が検証されました。
投与12週時点のHb濃度のベースラインからの変化量の最小二乗平均値(標準誤差)は、ボイデヤ®群で2.940(0.2107)g/dL、プラセボ群で0.496(0.3128)g/dLでした(p<0.0001、主要評価項目)。

※ 投与群、来院時期、来院時期と投与群の交互作用をカテゴリカル変数の固定効果とし、ベースラインのHb濃度、輸血歴を連続変数の共変量としたMMRM法

社内資料:ラブリズマブ又はエクリズマブが投与されており血管外溶血が認められるPNH患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(ALXN2040-PNH-301)(承認時評価資料)
Lee JW, et al. Lancet Haematol. 2023; 10: e955-965.[利益相反:本試験はAlexion Pharmaceuticals, Inc.の支援によって実施された。
著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.の社員が含まれる。著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.より謝礼金、顧問料、研究助成費等を受領している者が含まれる。]

生命予後に影響を及ぼす血管内溶血を抑制するC5阻害薬と併用可能な、唯一の経口PNH治療薬です。

社内資料:臨床に関する概括評価(承認時評価資料)、ボイデヤ®電子添文

重大な副作用として、髄膜炎菌感染症、重篤な感染症があらわれることがあります。
主な副作用として、5%以上の副作用は肝酵素上昇、5%未満の副作用は頭痛が報告されています。
電子添文の副作用の項及び臨床成績の項の安全性の結果をご参照ください。

特徴の2の臨床成績には、承認用量よりも低用量が使用された症例が含まれます。

6. 用法及び用量
通常、成人には、補体(C5)阻害剤との併用において、ダニコパンとして1回150mgを1日3回食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、1回200mgまで増量することができる。

ボイデヤ®の作用機序

ボイデヤ®は、生命予後に影響を及ぼす血管内溶血を抑制するC5阻害薬と併用可能な、唯一の経口のPNH治療薬です。

ボイデヤ®は、古典経路およびレクチン経路による感染防御作用を維持したまま、補体第二経路を選択的に阻害する、低分子補体D因子阻害薬です。
ボイデヤ®は、血管内溶血を抑制するユルトミリス®などのC5阻害薬による治療下で、更なる治療の必要性が認められた際に併用することが可能であり、血管外溶血を抑制することで残存するPNH症状に対して有効性を発揮します。

● C5阻害薬およびボイデヤ®の主な作用機序

C5阻害薬およびボイデヤ®の作用機序
  • ※補体D因子は、溶血に影響する分子よりも近位に位置し、補体第二経路の重要な治療標的である1,2)
  • 1) Barratt J, Weitz I. Front Immunol. 2021; 12: 712572.[利益相反:本論文の著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.より謝礼金を受領している者が含まれる。]
  • 2) Lee JW, et al. Expert Rev Clin Pharmacol. 2022; 15(7): 851-861.[利益相反:本論文はAlexion Pharmaceuticals, Inc.の資金提供を受けている。本論文の著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.より謝礼金、顧問料等を受領している者、advisory boardのメンバーが含まれる。]。

● 作用機序については、以下の動画でも解説しています。

C5阻害剤によるPNH治療のその先へ
~補体D因子阻害剤ボイデヤ®の作用機序~

5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋)

5.1 補体(C5)阻害剤による適切な治療を行っても十分な効果が得られない場合に、補体(C5)阻害剤と併用して投与すること。