緊急対応ページへ

ボイデヤ®錠を投与されている患者様(患者安全性カード持参)が救急来院時の対応詳細ページです。

患者安全性カード(PDF)

患者さんとそのご家族の方向けのサイトです

PNHにおける溶血とは

PNHは、血液細胞のもとになる造血幹細胞に突然変異が起こり、PNH型赤血球と呼ばれる赤血球がつくられてしまう病気です。
正常な赤血球には補体制御タンパクがあるので、補体による攻撃から赤血球は守られています。 一方で、PNH型赤血球には補体制御タンパクがないので、補体の攻撃を受け、赤血球が破壊されてしまいます。赤血球が破壊されることを「溶血」と呼びます。
ごくわずかな溶血は健康な人でも起こっています。溶血には2つの種類があり、血管の中で溶血が起こると「血管内溶血」、肝臓脾臓など血管の外で溶血が起こると「血管外溶血」と呼ばれます。
C5阻害剤*は補体の攻撃を阻害し、PNH型赤血球の血管内溶血を抑制しますが、一部の患者さんでは、血管内で破壊されなくなったPNH型赤血球にC3フラグメントが付着し、赤血球が肝臓や脾臓でマクロファージに食べられることで血管外溶血が起こり、貧血が続くことがあります。

C3フラグメント:

C3という補体の断片(フラグメント)のことを指します。赤血球にこのC3フラグメ ントが付着することで、マクロファージに認識され食べられやすくなってしまいます。

マクロファージ:

マクロは大きい、ファージは食べるを意味し、別名貪食細胞とも呼ばれます。マクロファージは体内に侵入した細菌・ウイルスや、体内で不要となった細胞などを食べて処理しますが、C3フラグメントが付着した赤血球も食べてしまうことが知られています。

*C5阻害剤:

ユルトミリス®またはソリリス®

PNHにおける溶血

監修:熊本保健科学大学 保健科学部 医学検査学科 教授 川口 辰哉 先生