用語集
肝臓
肝臓には、①体に必要なタンパク質の合成・栄養素の貯蔵、②有害物質の解毒、③食べ物の消化に必要な胆汁をつくるなどの役割があります。古くなった赤血球を破壊し、ヘモグロビンを分解する役割も担っています。C3フラグメントが付着したPNH型赤血球も破壊されてしまいます。
血栓
血栓は、体内の血液が固まったものです。健康な人の体では、切り傷や外傷を負ったときに血液が固まって出血を止めます。しかし、時として、このようなかたまりが静脈や動脈の血流を遮断し、危険な症状を引き起こすことがあります。PNHでは、血栓はいつでも起こる可能性があり、重大な健康上の問題を引き起こすことがあります。
髄膜炎菌感染症
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)という細菌に感染した状態で、髄膜炎や敗血症の原因になります。
敗血症
髄膜炎菌だけでなく、ブドウ球菌や大腸菌などの細菌によって引き起こされる、生命を脅かす感染症です。体のあらゆる部位(心臓、肺、腎臓など)に障害をもたらすことがあるため、専門的な治療が必要となります。
PNH型赤血球
通常は赤血球の膜上にある補体制御タンパクがない赤血球のことです。後天的な遺伝子の突然変異により補体制御タンパクを膜表面につなぎとめるアンカーが産生されなくなることで、PNH型赤血球がつくられます。PNH型赤血球は補体の攻撃に弱く、破壊され溶血を起こします。
脾臓
脾臓は古くなった赤血球を破壊します。C3フラグメントが付着したPNH型赤血球も破壊されてしまいます。その他、体の中に入ってきた病原体や細菌などと戦う抗体をつくったり、出血したときに血を止める血小板を貯蔵する役割もあります。
貧血
赤血球の数や、赤血球中のヘモグロビン(酸素を運ぶタンパク)の量がすくない状態で、脱力感や疲労感を感じることがあります。
ヘモグロビン
赤血球内にある赤褐色のタンパクです。全身に酸素を運びます。赤血球の外に出ると有害物となり、体に重大な悪影響を引き起こすことがあります。
補体
体内に侵入した細菌などの外敵を攻撃して感染症などから体を守る免疫システムがあります。「補体」は、この免疫システムの一つであり、血中に存在します。健康な体では「補体」は細菌などの外敵の侵入に備えて、常にアイドリング状態になっており、アクセルとブレーキのような役割を果たしている「補体制御因子」によって上手くコントロールされています。
補体制御因子
免疫に関わる補体が過剰に活性化して自分自身の細胞を傷つけることがないように制御する因子です。複数の補体制御因子があります。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)
補体制御タンパクを持たない赤血球がつくられる病気です。赤血球が補体の攻撃によって破壊(溶血と呼ばれる)され、重大な健康上の問題を引き起こすことがあります。主な症状には、腹痛、嚥下困難、貧血、息切れ、疲れなどがあります。生命を脅かすおそれのある重大な合併症には、血栓症、腎不全、臓器障害があります。
免疫
免疫は、体内に侵入した病原菌などを排除し体を守る防御システムです。免疫にはさまざまな細胞や因子が関わっています。